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細胞にも“相寄る魂”

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細胞と気と癌
細胞にも「相寄る魂」

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相寄る魂

細胞にも「相寄る魂」があるような気がしてならない。

昭和二十四年、博士課程の研究テーマとして教授から「バセドウ氏病の基礎と臨床」を与えられた。

バセドウ氏病とは眼球が突出し甲状腺が腫れる甲状腺機能亢進症の代表的疾患である。

私は甲状腺組織の増殖は如何にして行われているのかを探求するため、毎晩のごとく顕微鏡で甲状腺の細胞を観察していた。

そこに見える相対する円形ないし楕円形の濾胞細胞が向かい合っている細胞と互いに語り合っているようで、ちょうど結婚という男女の間にも似たようなもの“相寄る魂”だと感じた。

我々の体は数十兆にも及ぶ人体の細胞と数十兆の細菌など他生物体の超有機生物体であり、その一つ一つについてもこの事が言えると思った。これが癌細胞となっても同じように心を持っているのではないか。

これはそれまでの基礎医学にはないものであった。
その頃、基礎医学には多くの仮説があり、この仮説の上にたっている臨床医学の危うさに次第に気づき始めていた。

気と邪気

仏教では人体の生理機能を地、水、火、風、空、という五大素に分けている。
一方我々漢方医は人体の生理を気(き)、血(けつ)、水(すい) の総体と考えている。

この度は「気」について話してみたい。

気というものは病気という言葉があるようにまことに複雑にして奥深い。

気には、貪欲(とんよく)、嗔恚(しんに)、愚痴(ぐち)の三つの煩悩、つまりむさぼること、怒ること、理非のわからぬことという三毒の邪気もあれば、清浄な気もある。

人は様々な汚濁の気、人間以下の阿修羅、畜生、餓鬼、地獄の気の中で生きている。これらの邪気に侵され易く、我々の心の中にもがある。
天を敬い仏を信じ精進すれば、種々の魔性に引きずられて行くこともない。
      
なによりも、生かされている事を自覚し感謝することが大切です。

“気と癌”

癌細胞とは如何なるものであろうか。遺伝子学によると、何人も細胞に癌遺伝子をもっていることになっているが、それが癌として発病するということは如何なる縁によるものであろうか。

癌と診断されそのことを知らされても、その原因となる「気」というものを自覚することは難しいのです。
それ故、その病になったといえるのです。

例えば、胃癌患者に胃癌のことを話してもなかなか納得しないが、胃潰瘍のことはよく理解できる。他人の背中は見えても自分の背中は見えない。
癌であると知ったとき、自分という個人がそれをどう受け止めるかが大きな問題です。

ある時、三代にわたる癌疾患をもったひとりの青年に言った。

「胃癌になる人は、思いを心の中に貯める人が多い。胃は意(い、こころ)の影響を受けやすくストレスであれば潰瘍となり、物いわぬ意が癌の形となることがある。だから、物を言うことが大切です。
しかし、思うことを全て言いなさいと言っても、考えること、思うことに邪気が多ければ、語れば人を傷つけ自らも傷つくことになる。それならば、あなたは例えばお経を唱え口から声を発すれば、その意は清らかになり、人も自らも清らかになる。胃も清らかになるものです」と。

その後、青年はこれを機に仏教教典を音読するようになった。
このように柔軟な心をもって聞いてくれる人は稀れです。

我々は数十兆の細胞を慈しみ、仏性を供養し荘厳し、泥沼の中に咲く白蓮華のように生きることが大切です。

癌という病気についても心理面から考えることをしなければなりません。

==  by小川新  (1999年)==

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・嗔恚:
しんい、しんに:仏語。三毒・十悪の一。怒り・憎しみ・怨(うら)みなどの憎悪の感情。怒り恨むこと。腹立ち。いかり。自分の心に逆らうものを怒り恨むこと。

・貪欲:
とんよく:仏語。三毒・十悪の一。強い欲望を持つこと。

・愚痴:
《(梵)mohaの訳。痴・無明とも訳す》仏語。三毒の一・十悪の一。心性が愚かで、一切の道理にくらいこと。心の迷い。また、そのさま。物事を正しく認識したり判断したりできないこと。愚かであること。痴。癡。
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